銀行担当者へ自社の事業内容を説明しましょう

新しい銀行と付き合い始めるとき以外にも、銀行の担当者が変わったら都度々々自社の事業内容をしっかり説明してあげるようにしてください。

銀行の営業担当者というのは、結構な数の会社を担当しています。

新規開拓を専門にやっている営業部署など特殊なケースは除いて、通常の営業担当者の担当件数は50件から100件程です。支店規模によっても変わってきますが、いずれにしても相当な数を担当しています。

銀行員の本音として、70件担当していてその1社1社の事業内容を理解し説明できるかというと、できていないケースがほとんどです。
理由として①新任への引継ぎ期間が短いこと、②クレームに発展するのが怖いため今更社長に聞けない。
の二点があげられます。

銀行の担当者引き継ぎというのはだいたい1週間程度で終わります。事業内容についての説明を前任からまともに受けてないケースが多いです。また、新任銀行員の立場からすれば、社長に対して「御社は何をやってる会社なんですか」なんてことは今さら聞きづらいです。前任からしっかりと引継ぎがされていないと社長から叱責を受け、クレームになることは、銀行員にとってはとても怖いことなのです。

新任の挨拶を終えた後に「御社の事業内容を再度深く教えてください」と言ってくるような熱心な銀行は稀で、ほとんどの場合前任からしっかりとした引き継ぎを受けておらず、社長に対して何も知らないそぶりは見せられないから知ったかぶりをする、というスタンスの人間が増えていきます。

銀行担当者が新しく変わった場合や決算後の報告の際などは、ぜひ社長の方から、何度でも事業内容について詳しく教えてあげるようにしてください。

面倒のように感じますが、実際に社長が銀行の担当者に借入申し込んだ際、その担当者は上司に報告します。
上司は担当者に対して「そもそも何をやっている会社なのか」と当然聞きます。その時皆様の会社を指して、「製造業です。」とだけしか答えられないようであれば、やはり上司も簡単にはハンコ押せません。
自分の部下はその会社のことがよく分かっているのか、事業内容もわからずに金を貸そうとしているんじゃないか、となればやはり稟議を下ろすのが難しくなります。

こういった上司に対する説得などをスムーズに行って、融資審査を効率よく行うのが「できる銀行担当者」といえますが、経営者としても日ごろからそれをサポート(事業内容や成長戦略を共有する)するようにしていただけると、有事の際の資金調達がスムーズに行えます。
業績が順調な時は銀行としても貸したいので、担当者がその会社のことをどこまで理解しているかどうかは融資審査に大して影響しませんが、業績が悪化した時、担当者が上司を説得する必要が出てきた時にこういったことが効いてきます。

自社を担当する銀行担当者に対して自社の事業内容を詳しく伝える、今後の事業展開を詳しく伝えておくというのは、結局めぐりめぐって皆様の資金調達に影響して行きます。

銀行担当者は変わったときは、自社の事業内容を一から教えてあげるようにしてください。