金利の話

杉本和生税理士事務所の杉本です。

銀行から借り入れを行った場合の利率について

銀行から資金調達をする際に、みなさまが一番気になるのは金利だと思います。

金利にはさまざまな考え方があり、そのひとつに実質金利があります。

実金(ジッキン)とよく言われます。

例として、銀行から1億円を金利0.5%で借りた場合

当たり前ですが、この場合の表面金利は0.5%、利払いは年50万円です。


上記の例で、これとは別に定期預金に5,000万円預けている場合

1億円銀行から借りていますが、定期預金として5,000万円差し入れているため、実質借入額は差額の5,000万円になります。

実質5,000万円の借入に対して年50万円の利息を支払っているため、実質金利は1.0%になります。

騙されているといっては何ですが、お金を貸すタイミングで、銀行員は巧みに定期預金を握ろうとしてきます。

定期預金を握るというのは、銀行側から見た場合、利息交渉をガンガン行ってくる社長に対する対応策でもあります。


表面金利は0.5%なので社長は満足し、銀行としても定期預金を担保とすれば実質金利1.0%を確保できるため、双方が満足する形に落とし込むことができる、というロジックです。

ただ、以前のブログにも書きましたが、借入を行っている金融機関に対して定期預金を預けている場合の解約交渉というのは困難を極めます。定期預金を組むメリットは皆無なので避けましょう。



実質金利の話と少しずれますが、上記のほかにも

・金融機関提携のコンサルティングファームと契約し、会社の経営診断を実施すれば低金利で借りることができる。

・金融機関提携の社会保険労務士と契約し、労働環境の改善を図れば低金利で借りることができる。

など、様々なパターンがあります。

銀行としては、コンサル・社労士から紹介手数料を貰えるので低金利で貸しても収入が確保できるので問題ありません。

企業側から見ると、コンサル・社労士に払う手数料込みの全体コストが高くつきます。

もともとコンサルを受けたいと思っていたのなら良いですが、そうでないなら避けたほうが無難です。

金融機関からの資金調達は、表面金利のみではなく実質金利・トータルコストを考えて行ってください。