いざというときの資金調達「生命保険の契約者貸付制度」①

杉本和生税理士事務所の杉本です。

今回は、生命保険の契約者貸付という制度についてご説明します。

いざというときの資金調達手段として、経営者の皆様には頭の片隅に置いておいていただきたい内容です。



株式会社など法人形態で事業を行っている場合、役員を被保険者とする生命保険を会社名義で契約しているケースが多いと思います。

役員にかける生命保険は主に、

「掛け捨て生命保険」と「解約返戻金付き生命保険」の2種類があります。

(本当はもっと細かく分類されるのですが、細かく書くと理解が難しいので簡略化しています)

解約返戻金とは、保険期間の途中で解約した場合に、掛けた保険料の一部が返ってくる機能をいいます。返戻割合としては、5割~8割程度が一般的です。

経営者の方は、自身の退職金準備なども兼ねて「解約返戻金付き生命保険」を契約しているケースが多いです。


本記事タイトルにある「契約者貸付」というのは、この「解約返戻金付き生命保険」を解約した場合に返ってくる返戻金額のうち、8割前後を解約しなくても保険会社から借りることができる制度です。


いざというとき保険をお金にしようとした際、真っ先に「解約」を検討してしまいますが、解約してしまうと、当然経営者に万が一が起きた時の保険機能がなくなります。

いったん解約して、またしばらく様子を見て再加入しようかなと思っても、健康状態が悪かったりすればそもそも入り直しができないです。

再加入できたとしても、年齢が上がっている分が保険料も上がります。

死亡保険の機能を維持しながらも資金を用意したいといった時に、この契約者貸付というのは非常に便利な制度です。