いざというときの資金調達「生命保険の契約者貸付制度」②

杉本和生税理士事務所の杉本です。


生命保険の契約者貸付の続きになります。


ケース:死亡保障5,000万円、解約返戻金2,000万円の場合

5,000万円の死亡保障がついた生命保険に加入しており、解約返戻金が2,000万円貯まっている状態です。
この場合、契約者貸付として借りることができる金額は、解約返戻金2,000万円×80%=1,600万円前後になります。
もし1,600万円借りた状態で、被保険者である役員がお亡くなりになると、死亡保障5,000万円-借入額1,600万円=3,400万円の保険金が下りてきます。


つまり、契約者貸付とは5,000万円の死亡保障を維持しながら、1,600万円の借り入れを行うことができるという便利な制度です。

その他メリットとしては、契約者貸付の申し込みから入金までが早いことがあげられます。申し込みから3営業日~1週間以内には着金します。入金までのスピードが早いため、緊急な資金調達に向いています。
当然、審査もありません。決算書を出す必要もないため、業績に左右されずに利用できる制度です。

デメリットを挙げるとすれば、一般的な銀行借入から比べると借入利率が高いです。
大体3%前後になります。
銀行借り入れであれば1%~2%程度で借りられますので、それに比べると利率が高くなります。

解約返戻金付きの生命保険を契約しているにもかかわらず、その事実を忘れている経営者というは、経験上かなりの数いらっしゃいます。
解約返戻金がどの程度溜まっているのか、契約者貸付を受けることができるのか、保険会社や代理店に確認しておいたほうがよろしいかと存じます。